犬の基本的性格
キリッと締まった精悍さあふれる狼、リーダーの動きを読み統一の取れた行動で餌物を狩ります。 祖先のゴミ捨て場をあさるオオカミの中に、人が近付いても逃げないものが居て、この人なつこいオオカミがいち早くゴミからエサを食べることができ、人になつくようになったと言う説があります。 あの狼がほしい、そして人になついて来た。これが人間の祖先に飼い始められた理由です。 人の保護を受けると、弱肉強食の淘汰から離れたために、あっという間にいろんなタイプのDNAが顕在化して姿形や性格が現れたというのです。 そして、狼より強く、早く、可愛く、いろいろなタイプへと選別されていきました。 新しく飼い始めるときは、犬種の性格・力強さ・恐さ・病気・老化・死別について考えておく必要がありますし、そのなかで心が満たされるものなのです。 またどの犬種にも、優しく賢いと書いてある書物を、いくら読んでも解決しません。 室内で飼育するときは、子犬のそそう、歯の生え変わり時には大黒柱への噛み付き、病気の時の嘔吐・ 排便、老犬の介護、などは必然的に起こるものなのです。 飼い主となる家族の15年先までの体力・キャリア・環境も重要です。 一万年以上も前から大切な食料を分け与えて飼い続けてきたのは、人々にとってとても価値があったからです。 盲導犬は各個体の適否を判定してから訓練しています。 個体の性質で、訓練結果が変わるからです。 最近はDNAによって事前に選別可能となったと聞きました。 DNAに性格の違いもある程度組み込まれていることが理解できます。 この事は、長年に渡って選択育種されてきた犬種のDNAに性格も組み込まれていると言えます。 子犬を迎える時に考えておきましょう。 |
犬の種類(団体によっていろんな分類方法があります) ハーディング グループ ガンドック グループ スピッツ グループ ワーキング グループ ハウンド グループ テリア グループ トイ グループ コンパニオン グループ |
ハーディング グループ | |
ウェルシュ・コーギー、オーストラリアン・キャトルドック、 シェットランド・シープドック、コリー、ジャーマン・シェパード、 ビアデッド・コリー |
牧羊犬、護羊犬として働く犬。 この仲間の大型犬は子犬の時から羊と一緒に育て狼などの野獣から羊を守るように躾ける。 野獣以上に強い犬として作りあげられたため、熟練した飼育能力がないと危険で飼えない犬もいる。 敏捷でよく鳴く小さめの犬は、羊を追いまとめる仕事で、良い家庭犬になるが、鳴きすぎる程鳴いてくれる犬もいる。 |
ガンドック グループ | |
***・セッター、 ***・ポインター ***・レトリーバー、 ***・スパニエル、 |
主に鳥猟に活躍し、撃ち落とした鴨などを水辺から回収したり、
獲物を発見して
飛び立たせたり、獲物の位置を教えたりする。 ハンターの手足となって働くことから、人の気持ちをよく理解し従順で辛抱強い性格の犬として作りあげられた。 闘争の必要がなく、家庭犬として初心者にもトラブル無く飼える犬が多い。 セッターとは、見つけた獲物の前で静かに座り知らせる。 ポインターも同様に片手を上げて知らせる。 レトリーバーは、水辺から獲物を回収する。 スパニエルは、ブッシュから獲物を回収する。 |
スピッツ グループ | |
柴犬、紀州犬、秋田犬、シベリアン・ハスキー、 アラスカン・マラミュート、日本スピッツ、サモエド |
原産地は比較的に寒冷地。立ち耳・巻き尾・たっぷりの被毛。 あまり改良や選抜を受けていない土着犬で獣猟犬・作業犬・番犬として飼われる 闘争本能も持っていて、秋田犬クラスの大きさになると時には事件となる事がある。 作業犬として体力があり、毎日充分な運動が必要であり運動不足になるとむやみに鳴いたりする。 体格の大きな種類は、正しい訓練が必要であり、初心者や体力に自信の無い人には飼うのが無理である。 自立心が強く、リーダーの座を奪われかねない。 日本犬はほとんどこのグループに属し、我々が慣れ親しんだ性格をもっている。 かみつくのもいるし、遊べるのもいる近所にいた犬たちで、 昔から今日まで、忠犬の話はたくさんある。 |
ワーキング グループ | |
土佐犬、グレート・ピレニーズ、セント・バーナード、 ボクサー、ドーベルマン、グレート・デーン、マスティフ |
ルーツは、護羊犬。野獣や盗賊から羊を守った犬が作業犬・軍用犬・警察犬へと発展したもの。 主人の寝静まった夜間は、独自の判断で行動する。 子犬の時から愛情と正しい訓練をして育てたものは、命を託すことさえできると言われるほど優秀なガードドックとなる。 しかし、体力も気力も強く、その攻撃性は一旦開始されたら止めることが困難。 正しく訓練のできる人でないと、飼うのが無理である。 |
ハウンド グループ | |
ビーグル、ダックスフンド、バセット・ハウンド、 アフガン・ハウンド、ボルゾイ、サルーキ、ウイペット、 グレーハウンド、アメリカン・ハリア |
獲物となる獣を追跡し、追い詰める脚力・スタミナのある獣猟犬 臭覚タイプと視覚タイプの2種類ある。 臭覚タイプは、胴長短足犬やビーグル。視覚タイプは、サルーキやアフガン・ハウンドなど優れた視覚で遠くの獲物を発見し長く早い足で追跡する。 どちらも家庭犬として多く飼われているが、充分に運動させる必要がある。 グレー・ハウンドは、1周100mのグラウンドを7.5秒で遊ぶように走る。 1に運動、2に運動!。 |
テリア グループ | |
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア、ミニチュア・シュナウザー、 ワイア・フォックス・テリア、ブル・テリア |
イギリス近辺の土着犬で小獣狩りやネズミ狩りに用いられた。 小さくても結構血なまぐさい猟やゲームをして来た犬で、強い闘争心や、自立心を持っている。イギリスでは、ネズミを捕るのは猫でなくこの犬らしい。 病気に強く、中小型で初心者にも飼いやすく、しつけも簡単な犬が多いが、気性の激しい性格であることを忘れてはならない。 しかし、体形が小さく、コントロールが容易。 |
トイ グループ | |
シーズー、マルチーズ、パグ、ヨークシャー・テリア、 ポメラニアン、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル、 チワワ、チン |
長い年月をかけて、美しい形態を選りすぐってきた愛玩犬。 華やかな上流階級の人々に愛されてその毛色や姿形の美しさが追求されてきた。 主として室内で飼育され、比較的に病気に弱く、被毛の手入れを欠かす事ができない。 初心者でもコントロールが容易で、飼い主の帰りを室内で待つことができるが、見た目を優先し性格は二の次になっている。 |
コンパニオン グループ | |
ダルメシアン、プードル(スタンダード、ミニチュア)、ブルドック、 チャウチャウ、ラサ・アプソ、ボストン・テリア |
ペットとして愛されている犬で、前記グループにまとまらないものを一括したもの。 いわば分類上のその他のグループ、各々が個性的、珍しい風貌、ユニークな成り立ち、といったもの。 飼い方も十犬十色。 コンパニオン・アニマルとは人間の伴侶(はんりょ)としての動物で、 一方向な愛情の対象としてではなく、心を通じ合う対象として考えようとする立場からいう語と訳されています。 ここでいうコンパニオン グループとは古い使い方で、今は全ての犬がコンパニオン グループに入ってしまうでしょう。 |