ブロンズの特性について |
青銅[ブロンズ] |
わが国の水道水、特に温水に対しては青銅が最も耐蝕性が 優れているため使用されています。 給排水用のバルブ・コック類の鋳物や、10円硬貨は青銅です。 昔、鉄の仏像が鋳造されたことがありますが、 青銅は、低温で溶融し流動性が良いので作り易い。 |
リン青銅 (JIS C5191)====>ピロコーム(R)で使用 |
銅合金の内部にはサビ(酸化銅)がこまかく混ざっていますが、 このサビは合金の性質を害します。銅合金を作るときにリンを加えて
熔融するとリンがサビの酸素と結合しサビが無くなり優れた合金が 得られます。 熔融された青銅にリンを加えて脱酸させたものがリン青銅です。 |
リン |
リンには黄リンと赤リンの2種の同素体があります。 黄リン(または白リンとも言う)はきわめて有毒であり、 殺鼠剤に使用されていました。 空気中で燐光を発し自然発火します。 酸素の無い状態で加熱すると赤リンになります。 赤リンは無毒です。 空気中で加熱すれば直ちに引火して燃えます。 リン青銅中のリンは、金属結合であり黄リン的な毒性はありません。 動植物には、栄養素の一つです。 |
緑青(ろくしょう) |
旧来、猛毒と広く信じられてきたが、東京大学・ 厚生省の調査研究により、 急性・慢性共に有毒とは言えないことが判明しています。 |
銅イオン |
微量でも抗菌作用がありMRSA,O-157等に 対する殺菌力が強い。 微量栄養素の一つであり、不足すると鉄が有っても貧血になります。 大量に摂取すると、他の微量栄養素との拮抗作用で体調を崩します。 |
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参考資料 金属材料辞典-----工業図書株式会社 金属の百科事典---丸善株式会社 工業材料便覧-----日刊工業新聞社 銅のおはなし-----日本規格協会 |
Q&A |
ひとつ質問があるのですが・・・ ブラッシングコートスプレーなどは使用しても大丈夫でしょうか? ブロンズという素材と 櫛とがいまひとつ結びつかなくて・・・ (ステンレスならよくありますね) オレンジXや木酢液、オリーブオイルなどはどうでしょう? のみよけと毛艶の為に使っています。 今まではブラシや櫛に直接これらをスプレーして使っていたのですが、 金属が変質しないか不安です。 特に木酢は、庭のアルミフェンスに緑青が吹いたことがあります。 |
> ブラッシングコートスプレーなどは使用しても大丈夫でしょうか?について ブラシの材料としてブロンズは馴染みがありません。 ブロンズは腐蝕しにくく、錆びとして出る緑青も毒性は有りませんので心配されなくても良いと思います。 最近は、赤ちゃんミルクに銅の塩が添加されるようになっています。 必須栄養素であり、ピロコーム(R)から溶出する程度の銅イオンは体にプラスであろうと思われます。 > オレンジXや木酢液、オリーブオイルなどはどうでしょう?について ピロコーム(R)はパルボ等の予防として消毒液にどぶ漬けしても結構ですが、 漬けっぱなしで木部がふやけないように気を付けて下さい。 オレンジXや木酢液のように酸には、腐蝕します。 特に木酢液は数十種もの酸の混合物であり、どのような化合物が生成されるのか明確には分りません。 薄めずに使用する場合は、使用後に水洗いをお奨めします。 |
動物と金属の成り立ちについての雑学 |
動物は有機物であり、金属は無機物です。 動物の主要元素は金属元素ではない以下4種類です。 O 酸素 (Oxygen)____62.8%, C 炭素 (Carbon) ___19.4% H 水素 (Hydrogen)___9.3% N 窒素 (Nitrogen)___5.1% 合計_____________96.6% 残りは、普遍的な常量元素として、 Ca カルシウム (Calcium) ______1.38% 軽金属 S 硫黄 (Sulfur) ______________0.64% P リン (Phosphorus)___________0.63% Na ナトリウム (Sodium)________0.26% 軽金属 K カリウム (Potassium) _______0.22% 軽金属 Cl 塩素 (Chlorine)____________0.18% Mg マグネシウム (Magnesium) __0.04% 軽金属 Fe 鉄 (Iron) _________________0.005% 重金属 微量元素として、重要な元素や不純物であろうと考えられているもの。 Si ケイ素 (Silicon)___________0.004% Zn 亜鉛 (Zinc) _______________0.0025% 重金属 Cu 銅 (Copper) _______________0.0004% 重金属 Sn スズ (Tin) ________________0.0002% 重金属 I ヨウ素 (Iodine) ____________0.0001% Mn マンガン (Manganese)_______0.0001% 重金属 B ホウ素 (Boron)______________0.00002% Mo モリブデン (Molybdenum) ___0.00002% 重金属 Co コバルト (Cobalt)__________0.000004% 重金属 V バナジウム (Vanadium) ______0.000003% 重金属 Ni ニッケル (Nickel)__________0.000003% 重金属 F フッ素 (Fluorine)___________0.... Cr クロム (Chromium) _________0..... 重金属 As ヒ素 (Arsenic) ____________0.... Se セレン (Selenium) _________0.... 現在はこれ以上の分離は不能。 重要な金属の機能 Zn 亜鉛 (Zinc) _______________0.0025% 重金属 亜鉛タンパクは無色、多くの酵素・免疫機能の活性中心に存在する。 呼吸作用・アルコール分解・タンバク質消化など、 亜鉛不足になると成長の停止、皮膚・毛髪の損傷、生殖機能・免疫機能不全。 Cu 銅 (Copper) _______________0.0004% 重金属 銅タンパクは緑色、甲殻類・軟体動物の血液に相当する酸素運搬。 鉄の代謝に関与する酸化酵素。 銅と亜鉛で超酸化物の不均化反応を触媒して生態保護。 Co コバルト (Cobalt)__________0.000004% 重金属 ビタミンB12の構成要素。 動物の造血作用に必要。 有害な金属は、概して原始番号が大きい。(基本的に毒) Hg 水銀 (Mercury) Cd カドミウム (Cadmium) Pb 鉛 (Lead) Pu プルトニウム (Plutonium) |